幕が上がる
カーテンの向こう 空がほどけて 拍手のない 朝が来る 昨日までの空気が 少しだけ 薄れていく 台本みたいな日々を なぞるだけじゃ 物足りなくて 白紙のままの時間が 僕を 見つめ返してた 胸の奥で 小さく鳴る 聞き慣れない 鼓動が 間違いだって 分かってても 止め方を 知らなかった ページをめくる音だけが やけに 大きく聞こえて 昨日と今日の あいだに 風が 線を引いた さあ 幕があがる 戻れない今日が 始まってく 名前のない一歩でも 光るほうへ 進めばいい さあ 息を吸って 昨日までを 置いていこう 何者でもないままで 世界の中へ 踏み出そう 舞台の上で つまずいて 笑われた日もあった それでも 立ち上がるたび 景色は 変わっていった 怖さを 抱えたまま 前に出ることが 勇気だと 呼ばれるなら いま 進める気がした さあ 幕があがる 迷ってた今日が 動き出す 間違えたって 構わない 光るほうへ 手を伸ばそう さあ 息を吐いて 足音を 信じていこう 何者でもないままで 世界の中を 走り出そう 幕が下りた そのあとで ひとり残った 影が 「本当に これでいいのか」と 静かに 問いかけてきた 本当に これでいいのか 立ち止まる影が 揺れて 笑うふりをしても 胸の奥は まだ震えてた 夢を見るだけじゃ 足りなくなってた 気づかないふりをして 走っていた さあ 幕があがる もう迷う僕は いないんだ 名前のない一歩でも 光るほうへ 進んでいく さあ 息を吸って 今日という日を 抱きしめよう 何者でもないままで 世界の真ん中へ 踏み出そう まだ白いままの ページに 足跡を 刻んでいく 歓声の中で 物語は 動き出す