夢跡

泥だらけの靴のまま 朝を待たずに歩いてた 理由なんて 後付けで 前だけを 見ていた 間違いの数を数えて 自分を疑う夜も それでも 立ち止まるほど 器用じゃなかった 誰かの言葉に揺れて 正解を探してた 夢と呼ぶには近すぎて 現実には 遠かった 傷つくたびに 少しだけ 重くなった それでも この手は 何も 手放さなかった 積み上げたものは 派手じゃなくて 振り返って やっと気づく 足跡みたいなもの 気づかれなくても 報われなくても それでも 確かに ここまで 来ていた ここに立つまでを 夢じゃなくて ここまでが 夢だったんだ 息を切らして 手を伸ばした この場所が 今の僕だ 追いかけてた背中の向こうで 誰かが 立ち止まってるなら 僕はもう 走るだけじゃない この夢を 渡しにいく 強くなれたわけじゃない 怖さが消えたわけでもない それでも 前より少し 遠くを 見ている 信じることが 下手だった僕でも 守りたいものが 増えていった 夢に縋りついて 夢に飲まれそうで 何度も 自分を 見失いかけた それでも この手は 離さなかった それだけは 胸を張れる 気がしていた 叶えたいと 願うほど 遠ざかる気がして 追いかけるほど 足元が 崩れていった それでも 立ち止まれず それでも 諦めきれず 夢を見ることしか 知らなかった あの頃 夢を見るだけじゃ 足りなくなってた 気づかないふりをして 走っていた ここに立つまでを 夢じゃなくて ここまでが 夢だったんだ 泥だらけの この足で ようやく 辿り着いた 追いかけてた背中の向こうで 声を失くした誰かがいるなら 僕はもう 目を逸らさない この夢を 飲み込んでいく 夢を見るんじゃなく 夢を 見せていたい 走り続けた この時間が いまも 胸の奥で鳴っている 終わりじゃなく 始まりでもなく 歓声の中に 立っている

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