First Snowlight

あの夜、最初の雪がきみを連れてきた 駅前の灯りが滲む中 吐息だけ白く揺れて 予定もなく歩いていた僕の前で ふと目が合った それだけで胸が動いた 人混みのざわめきさえ 遠くに聞こえて 時間だけが少しゆっくり流れた 知らないはずなのに 懐かしい気がして 胸の奥に小さな灯りがともる あの夜、最初の雪がきみを連れてきた ただの冬が 物語に変わっていく 肩に降る白さが合図みたいで 世界はゆっくり きみの方へ回り始めた 信号待ちのおうだんほどうで イヤホンを外したら街の音が鮮やかで 電話のふりして目をそらした僕に きみはまた少し近づいてきた ポケットの中のてぶくろが 少しだけ熱くなって 名前も知らないのに 胸が騒ぎ始める すれ違った瞬間に香った風に 言葉にできない気持ちが混ざっていた 名前も知らないのに なぜか目を逸らせなくて 冬の空がいつもより少し近く感じた あのよる、最初の雪がきみを連れてきた 偶然なんて言葉じゃ追いつかない 手袋越しのすれ違いが運命みたいで 心だけ先に きみに触れていた 帰り道 振り返っても きみの姿はもう見えなかったのに 胸に残った温度だけが 確かに「始まった」と教えてくれた

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